「なぜ今アロマが必要なのか」
人は、無意識に自分を否定することで心の病気になる。
その素地を作るのは元々持って生まれた要因もあるが、主に胎児期から幼少期、 思春期にかけての周囲の言葉のかけ方によっての洗脳が原因である。
子どもにとって両親は生きていくために必要な存在であるがゆえに、言葉の持 つ力は絶大で、その子供の脳を直撃する。
例えば母親が未熟な人格だったとして、毎日毎日子どもを罵りあざけっていた としたら、どういう大人になるだろうか?
赤ちゃんのころからバカにされ続け、抱っこもしてもらえないとしたら?
想像するのは難しくないと思う。
極端な例だとわかりやすいかもしれないが、子どもが忙しい親にかまってもら えず我慢しているケースは星の数ほど人知れず存在している。
そうでなければ、現代社会でこんなにも人間関係においてトラブルは起きない はずだ。
ましてやほっておかれた、もしくは罵り続けられたその子が自閉症の傾向があ る子だとしたら、大人になってコミュニケーション不全になるのは当然である。
しかしここで大事なのは、たとえひどいことを親に言われ続け、され続けたと しても、親を恨んだところでどうにもならないと知ることである。
突き放したように聞こえるかもしれないが、残念ながら事実である。
恨んでみて人生がしあわせになれば大いに恨むべきなのだが、実際は真逆であ り、親への憎しみは他者へと反射され、人間関係が狭まり、公私ともに複雑に なっていく。
親を恨んでいる時点でアウトなのは、裏を返すと、
いつまでたっても「絶対者から虐げられてかわいそうな自分」という強烈な自己暗示から逃れられないか らである。
解決方法は、シンプルである。
自己暗示をストップすることだ。
生きてきた年数だけ自己否定していた思考のパターンを手放すのは、たしかに、 簡単ではないかもしれない。
しかし思考を変えることで手に入るのは本来の才能とパワフルな人生の開花である。
人間関係も仕事もお金も健康もより自分らしくいい方向へと変化する。
それだけ、思考は強力である。
多くの成功法則の自己啓発本でマインドを変えろと書いてあるのはそのためである。
自己否定からは何も生まれない。
実際、ビジネスの成功者は皆自己肯定力が高い。
どんなに状況が思い通りにいかず、苦しくなったとしてもあきらめないマインドの元は自己肯定力だ。
成功者とそうでない人の違いはそこだけといってもいい。
「自分にできるわけがない」という自分のエネルギーを下げるマインドが無いだけで、実際の人生が違うものになる。
多くの人は自分の内部の自己否定を見たくないがゆえに、外のモノに依存する。
仮に外のモノが手に入ったとしても、心からの満足はできない。
自分の内側が満たされてないからである。
とはいえ、「自己否定を今日からストップする」と言われても、雲をつかむよう な話に聞こえると思うので、そこで登場するのが「インナーチャイルド」とい う概念だ。
「インナーチャイルド」という概念はバカにできない。
先ほど書いた、幼少期の脳のインパクトであり、心のトラウマの別名である。
多くの人がその部分を無視して、一生懸命生きようとしているが、 「インナーチャイルドが泣いている人」は、人のために自分の人生を犠牲にし てがんばってしまう。
自己否定が潜在意識にあると、他者の評価を求めてしまうからだ。
繰り返しになるが、「自分は絶対者に虐げられる」という無意識的被害者意識の マインドの持ち主の人生は常に評価してくれる他者を必要とする。
それがあたりまえの状態で疑問すら抱かなくなる場合がほとんどだが、他人の 顔色ばかりうかがい、自由な生き方ができなくなり、繊細すぎる人は心と身体 の健康にしわ寄せが来る。
奴隷になるために生まれた人は誰もいない。
他人主体ではなく、自分主体で生きていい。
自由に、クリエイティブに生きていい。
そのために自分の「インナーチャイルド」と向き合わなくてはならない。
ここで、やっと表題のアロマが登場する。
香りは、記憶を癒す。
「インナーチャイルド」という概念は「過去」の産物であり、「今・この瞬間」 とは実はまったく関係ない。
植物のいのちの凝縮であるアロマは「この瞬間」にすべてがあることを強烈に アピールする。
アロマにプラスして大事なのはきちんと「マインド」、つまり自分に対する考え 方を変える、という意図を持つことだ。
過去に両親なり、家族なり、誰かにひどいことをされたとしても、自分は被害 者ではない、と「決める」ことである。
自分の無意識を癒すと「決める」ことである。
人生が好転するかどうかは自分で選べるのだ。
一度、「インナーチャイルド」が元気になると、相手のインナーチャイルドが元気かそうでないかがわかるようになり、元気な人同士でなかよくなり、クリエ イティブな関係性を築くことができるようになる。
才能同士が出会い、与えあう関係性のすばらしさをひとりでも多くの人に知ってもらいたい。
そして誰かのためにムリをしなくていい、と伝えたい。
まずは肩の力を抜いて、顔の筋肉を緩めて、意図的にブレンドされたアロマを 嗅ぎ、「人生の主は自分である」と念じながら、深呼吸すること。
言葉をもちろん好きなように変えていい。
具体的に実現したいことを心に感じながら深呼吸すると、心の痛みがはがれて いくのと比例して、実現のためのアイディアがひらめいてくる。
アイディアが出てきたら、今度は行動する。
行動していくと、予期しない出来事がたくさん出てくるが、乗り越える力があるからこそ、その問題は人生にやってくる。
魂が求めていることがわかるまでアロマを嗅いでいくと、ボディ・マインド・ スピリットの痛みが表面化し、離れていき、バランスが取れてくる。
魂のよろこびが着火点だとすると、アロマは火を灯すための火付け石のような もので、やがて火がつき、自分の中の情熱がわかると、人生の目的が何かわか るようになる。
そしてその時に自分が自己肯定のレールの上にちゃんといることに気づく。
マインド設定、つまり「ポジティブな自己像のための言葉」を頭の中で繰り返しながらアロマを嗅ぐことは、自分の中にパワースポットを作りだすことである。
潜在意識、顕在意識両方にいい影響が与えられるだけではなく、呼吸が深くなり気血のめぐりが良くなってくる。
「いのち」の感覚が薄れている現代人は、植物のいのちのエネルギーを取り入 れることが急務である。
藤波直子